アースデイ鎌倉、最終日のセミナーは、「SDGsで考える!持続可能な森を育てる住宅 持続可能な地域のコミュニティの創出」」と題し株式会社アンビエックス 代表取締役の相根昭典さんに、日本の森の現状、人間の身体に適した住宅などについてお話をしていただきました。

今、日本の山が危ない!

  • 神奈川県の山もボロボロ。山のメンテナンスが何も施されていない現状。
  • 世界では、毎年1300万ヘクタールの森林が消滅している(本州の2/3)
  • 日本の森も腐り始めている。日本の森林の木材を使わずに、ベニヤや構造材などのために東南アジアの森林を壊して輸入している。昔は木材の輸出国だったのが、輸入国になってしまっている。
  • 日本は本当にひどい状況。森は丸坊主になってしまったら、人間の手をかけないと自然には再生しない。輸入などせずに、いまある森をきちんと間伐し育てていかなければないない。
  • 40~50年の木は、実際CO2 をほとんど吸わない。実際死んでいる森が多い、丹沢もひどいもの。

 

森と海のつながり

  • 襟裳岬は、漁獲量が減少していたが、森を再生したら漁獲量が増えてきた。

 

林業の従事者

  • 21万人→5万人、現在は3万人ともいわれている。年収が200万~300万
  • このままだと、日本のいい用材がなくなってしまう。

災害

  • 台風などですぐに山崩れがおこる。ちょっとの雨でも濁る。大雨のときはどこの山でもこわい。
  • 山に同じ木ばかりを植える、杉、がひょろひょろの状態。これは使える材ではない
  • 日本のまちがった林業政策。これはドイツに心酔している要因もある

自伐林業の勧め

  • 小規模林業での成功例。自分の山は自伐し、年収1400万親子で稼いでいる例もある
  • 間にいろいろな会社をいれてみんながマージンをとっていると、山に戻る粗利は1割。それでは山へお金をかけられない。町から山へ直接発注かけられるような仕組みづくりが必要。
  • 林業はまだまだやりようがあるのにもったいない。林業女子など

現代住宅

  • 今の家は、木造住宅といっても本当の木材をほとんど使っていない。
  • 集成材ばかり(接着剤でつける、火事で燃えやすい)。新建やプラスチックが多い。
  • 現代住宅は化学物質だらけ(フタール酸など)。タイルはセメントで貼るものなのに、接着剤で貼っている。
  • 青畳もこわい。安いものは中国からの輸入材。
  • オーガニックレストランにしても、内装から環境ホルモンに移遷する。ホルムアルデヒト、ネオネコチノイド等々

日本は森林国なのに、林業従事者は年々減ってきて、日本の山も荒れ放題。そして他国の森林を伐採し木材を輸入している現実。とても悲しいです。林業で仕事をしても十分食べていけるような日本になれば、身体にいい住宅に住め、災害も減少してくるでしょう。持続可能な生活に近づきます。他にも健康被害の話もありましたが、探せばまだ住宅の優良企業はあると思います。価格だけで選ばない、消費者の目も養う必要があります、これからの時代は。

相根先生ありがとうございました。