事務所引っ越しにともない慌ただしくしており、SDGsみらい塾最終回のレポートが一か月遅れとなってしまいました。
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全9回予定していた鎌倉SDGsみらい塾もいよいよ最終回。鎌倉婦人子供会館の会議室はほぼ満室。第一部は、特定非営利活動法人国際協力NGOセンター(JANIC)若林秀樹さんにゴール16『平和と公正をすべての人』についてお話いただきました。
今は、AIを使ってなにをするか?と科学技術の覇権争いがある一方で、香港の逃亡犯渡しの条例案に対するデモ、7,080万人にもなる難民問題、そして英国のEU離脱、米国のパリ協定脱退等々、様々な国際情勢の変化がある。
その中で、平和とはなにか? 戦争のない状態はありえないのか?平和と安全、人権および自由について考えていくことはより重要になってくる。
平和なくしては持続可能な発展はありえない。
平和の根底は人権(human right)である。
世界では6-7割は言論の自由がなくなっている。1億5000万が学校へいけていない。人権とは本来、酸素のように見えなくて、生きていくのはなくてはならないものなのであり、なくなって初めてそのありがたみに気づくもの。
人権は国際法すべてに定義されている。人権侵害とは、多数決の論理は成り立たない。マイノリティだから起こる現象であってなならない。
- 生まれもった自然権
- クリーンな水を飲む権利
- 忘れ去られる権利 等…
ILO(国際労働機関)では、2019年6月にハラスメント禁止条約が成立した。
人権問題は国際問題であり、国際社会の関心事である。世界他国へも声をあげていいこと。スポーツに政治を持ち込んではいけないが、スポーツに人権を持ちこんでもOK!
人権が法の枠内に支配されていてはいけない。透明性の高い政府であるべきだが、残念ながら日本はそのへんはあてはまらない。日本の社会的スペースは狭まってきていると思う。よって、政府を批判するだけでなく、政策の改善を、その実行を促す市民社会としての取り組みが必要ではないか!(civil20では、サミットに市民の立場から関わろうとする諸団体や与野党議員が参加し、G20に向けた課題や提案を討議された)
- 日々の身の回りのことから世界へ直結できるか?
- 全てつながっているという考え方に気づく
- どうしたら世界のSDGsをつながるかをチェックする
”シチズンシップ”市民という概念をもつ。
社会を構成する一人ひとりの集まりが「社会」を構成する。いろんな人種がいてたくさんいて、それが「市民」になる。鎌倉の市民として、我々はどう行動するべきか?グローバルシチズンシップになりえるか?
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「人権」という言葉にきちんと向き合ったのは中学校の公民の授業以来でしょうか。まだなんとか基本的人権が保たれている日本では、文字通り空気中の酸素のようにあって当たり前と危機感のないまま生活してきました。
しかし、食べるものも、住むところも、教育も受けられない人間が地球上にどれだけいるのか。そこには「人権」なんてものはかけらもないのでしょう。
私たちは、安価で大量生産のファスト衣類に囲まれていたり、すこしでも賞味期限の新しい食品、見た目のきれいな商品を手に取ったり、食べ放題のビュッフェに行ったりしています。日本には6割の食べ物を世界から奪って、それを捨てている現実があります。
グループワークでは、日本の優れた発酵食品をロングライフ商品として世界へ訴えたり、期限切れ専門の冷蔵庫をスーパーに置くなどといったアイディアもでました。
私たちの身の回りの物を作り出す背景にどのような人たちが関わっているのか、それらは公平なものなのか。グローバルな視点でものごとを考えられる賢い消費者にそろそろ変わらなければいけません。「人権」はなくなってからは、取り戻すことは非常に困難です。先人たちがつちかってきた平和を守る日本人であると同時に、我々は”地球人”であることを忘れてはならないと感じた一日でした。
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