令和2年2月15日(土)第二期SDGsみらい塾 (全7回)もいよいよ最終回を迎えました。予定していた講師の方が体調不良となり、ピンチヒッターでSDGsみらい塾の小島塾長(プラスチックフリージャパン代表)にご登壇いただき、前回の(1)サーキュラーエコノミーの続きと、(2)SDGsとライフスタイルについて、気候変動、環境をテーマに話をしていただきました。

(1)サーキュラーエコノミー

本当の意味でのサーキュラーエコノミーとは、リサイクルを万全とするものでなく、資源の無駄がなく、環境汚染や生存危機や人権の不公正のない社会をいう。

例えば…
①チョコレートのおける「つくる責任」「つかう責任」とは?
チョコレートをつくる背景で労働搾取はないか。
食べる側はフェアトレード商品を選んでいるか。

②衣料品における「つくる責任」「つかう責任」とは?
作る側は、安く作れる大量生産になっていないか。
購入者は、安くてすぐに使い捨てになる衣服を買っていないか。

従来の、とって、つくって、つかって、捨てるの一方通行型の経済では「汚染」「無駄」「危機」「不公正」をまねく社会となってしまう。めざすはサーキュラーエコノミー。

日本で一人当たりのプラごみ排出量は世界第2位
「百年の愚行」より

4大汚染とその2大汚染源

4大汚染とは?
・気候危機
・生物多様性の危機
・食物危機
・国家存亡の危機

2大汚染源
・化学物質と廃棄物(放射性物質を含む)

これらの汚染源が原因となって、4大危機へつながる

  1. 気候危機
  2. 生物多様性の危機
  3. 食物危機
  4. 国家存亡の危機

(2)SDGsとライフスタイル

私たちは今、

  • 「気候非常事態」の中にいる
  • 鎌倉市+神奈川県 2月7日 気候非常事態宣言
  • その目標は、気温上昇を1.5度C以内に抑えること
  • そのためには、CO2の排出を押さえなければならない
  • 私たちの普段の生活様式(ライフスタイル)を変えれば大きく貢献できる

気候変動のもたらすもの10項目とは

  1. 海面水位の上昇
  2. 海水の温度上昇、酸性化
  3. 砂漠化
  4. 森林火災
  5. 水不足
  6. 穀物生産への被害
  7. 極端な異常気象
  8. 移住の強要(何百万に単位)
  9. 病気
  10. 戦争・紛争リスクの拡大

各人のライフスタイルを変えれば、地球の気温上昇を産業革命以前より1.5℃以内におさえられるかもしれない、というレポートがIGES(アイジェス:公益財団法人 地球環境戦略研究機関)より出された。

では、私たちは日々の生活の中で何をしていけばいいのだろう…変えられることとは?

<グループディスカッション>

それでは、住、移動、食、消費財ごとに、CO2の削減を可能にできることを考えてみましょう。各グループでディスカッションし、たくさんの意見やアイディアがでました。

 

(住)太陽光が入るの家の設計。電気は再生エネルギーの会社にする。ガラスは二重窓に。エアコン設定温度を1度上げる、下げる。
(移動)カーシェアリング、公共交通機関をつかう
(食)フードマイレージの少ないものを選ぶ、輸入品より地元の物を買う。認証のある商品を選ぶ。
(消費財)衣類は古着やさんで。フェアトレード商品を。大量生産、大量消費のものは選ばない。SALE品に飛びつかない。耐用年数の長い商品を選ぶ。修理して使えるものを選ぶ。

<考え方>例:自動車
①消費総量削減⇒自動車を乗る回数を減らす
②効率削減⇒ガソリン車を電気自動車にする
③モード転換⇒自動車から自転車や徒歩にする

<改善のジレンマや現状打破>
ある理由のためこれは絶対無理!という枠をはずして考えてみる。

あるグループが③モード転換に焦点をあてて意見がでました。
・一人ひとりの小手先では無理。市民運動を!!
・電力会社をかえよう
・コンパクトシティ
・地産地消の街づくり
・過剰包装、ペットボトルやコンビニ、自販機を街からなくす
・街にウォーターサーバーを置く

今までの延長線上に未来はない。SDGsが期待するのはこのモード転換!

気候変動に歯止めをかけるのに、産業革命より地球の気温上昇を1.5℃以内に抑えるために、一番はもちろん化石燃料をやめること。では、私たちはそれが終わるまで待つだけなのか。いいえ、自分たちの生活の中で変えられることがたくさんあります。それもかなり役立ちそうな事柄。そのことが分かっただけでもなんだか希望がもて、やる気になってきた。
今日の授業は、SDGsみらい塾最終回にふさわしい充実した内容でした。
先生ありがとうございます!

(3)卒業式

最後は、卒業式。
7回のうち5回出席をした生徒たちには、修了証とSDGsバッジが鎌倉ユネスコ協会 佐藤美知子会長より授与されました。

第三期からは、中高生中心の講義になる予定とのこと。
鎌倉から未来を変える若者が多く輩出されることを期待します。