好評を博して終了した鎌倉SDGsみらい塾第一期に引き続き、8/24(土)に第二期SDGsみらい塾がスタートしました。今期からは、二部制ではなく通しの講義で、会場は鎌倉論語会館。まずは鎌倉ユネスコ協会の佐藤会長のご挨拶にはじまり、続いて鎌倉市の千田副市長(第二期より鎌倉市の共催)、そして鎌倉SDGsみらい塾の小島塾長(SDGs活動支援センター代表理事)よりご挨拶がありました。

お話いただいたのは、一般財団法人国際開発センターのクティチ・ベロニカさん。ハンガリー生まれで在日20年の方です。ゴール1『貧困をなくそう』、ゴール2『飢餓をゼロに』、ゴール3『すべての人に健康と福祉を』についてです。美しい日本語と丁寧な説明でとてもわかりやすい講義でした。

ゴール1 貧困をなくそう

現在の豊かさを得るために、将来の豊かさを犠牲にしてはならない。
環境破壊がや貧富の差がある世界は、持続可能な世界ではない。

すべての人に衣食住を満たすには、地球が1.7個分必要。
そして、日本人なみの生活にするには、2.9個分必要。

経済格差が社会不安を作る(貧困、犯罪、宗教対立、地域紛争)

  • 高所得⇔低所得
  • 都市⇔農村
  • 高学歴⇔低学歴
  • マジョリティ⇔マイノリティ

SDGsは、MDGs、パリ協定など経てできたが、その特徴として
①目標であり、道標である
②包摂性(誰一人取り残さない)
③達成度の測定が可能(数字で測る)17ゴール、169ターゲット、244の指標
④バックキャスティング
現在から考えるのではなく、目標とする未来からもどり何をしていくべきか、を考える。大企業、中小企業、NGO、NPO、市民、大学、行政 みんなで協働していくことが重要である。

貧困には二種類
(1)絶対的貧困
(2)相対的貧困
(1)は、一日あたり1.9ドル以下で生活(200円ほど)
世界で7億6000万人いる 世界人口の1割、10人に1人、その半分はサハラ砂漠以南
(2)は、大多数の中に比べて貧しい状態。日本では年収122万円以下をいう。

では、なぜ貧しいのか?
①社会保障がない
②基本的なサービスが受けられない(教育や病院、インフラ、銀行等々含む)
③環境の変化に敏感 気候変動、災害・台風被害、不景気の影響をもろに受ける

国民のほぼ全員が国民保険に加入している日本のような国は極めてすくない。先進国である米国でさえ、保険にい加入していない人はたくさんいる。保険(ユニバーサルヘルスケア)がある国は、世界196ヵ国中58国。病気と貧困は悪循環となる。 

Afrimedico:すべてのアフリカの人に健康と笑顔を!
日本の富山の置き薬がヒントになりできた。

ゴール2 飢餓をゼロに

世界で栄養不足の人は、9人に一人
サハラ砂漠以南では、4人に一人
東南アジアでは、ガリガリにやせ細ってなくても必要な栄養が足りていない子供たちはたくさんいる。低身長、タンパク質が足りない。
米国の貧困層には肥満が多い。ジャンクフードばかり食べている。

ゴール3 すべての人に健康と福祉を

開発途上国と先進国では課題が異なる。
後者は、公害や交通事故、成人病などでの死亡が多いが、前者では妊産婦や乳幼児の死亡率が多い。
妊産婦の死亡率が10万人あたり、世界平均が216人に対し、日本は3人。サハラ以南アフリカでは546人にもあがる。
その中で日本で始まった母子手帳。世界に広がり多くの国で利用するようになっている。

フードバンク:セカンドハーベストジャパン
フェアトレードチョコ:Dari K 

SDGsボードゲーム

グループワークでは、SDGsボードゲームを行いました。5-6人ごとのグループ内で、各自が大企業、中小・ベ ンチャー企業、大学・研究機関、慈善団体からどれかを選び、選んだカードのミッションに対してそれぞれの予算で取りくみ、協業を計りながらSDGsの目標を達成していきます。達成できたゴールは駒をひとつづつ進めます。ある目標が+でも、一方で別の目標がマイナスになる場合も。

課題や解決策がかかれているのイメージしやすく、人生ゲームさながらの駒進めで、楽しく、かつ熱中し大いに盛り上がりました。やっているうちに、17ゴールが進みやすいものとそうでないもののばらつきが出始め、どうしてこうなるのだろう…もっと環境を考えないとだめだよ!というような意見も出て、でもゴール13、14,15を進めるには協業しても資金が足りない、といジレンマに陥り、ゲームでも難しいことがたくさんでてきました。休憩時間もとらずに集中してしまいました。

このようなゲームを通じて、課題と解決策を知り、そこから自ら考えていくという一連のシュミレーションを体験できたことで、はじめて17の目標すべてを俯瞰できた気がします。すべての目標はつながっており、どれもはずすことができないもの。現実では、人間の叡智をもって世界が協業し、一刻も早く解決策を見出さなければならないと強く感じました。

鎌倉SDGsみらい塾第一期の模様

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